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変なポスターの意味と展開 ①意味編

 さて、何人の方が覚えてらっしゃいますでしょうか?私は忘れていました。不誠実で本当にごめんなさいm(__)m もうはるか昔に終わってしまったイベントですが去年の11月の「たぬきケーキまつり」について、「ポスターの写真が一体なんなのかの説明を致します!」とポスター完成報告のfacebook記事の際に記載しておりました。心待ちにしておられた全国の方、本当に大変お待たせして申し訳ありませんでした(虚空に向かっての詫びの可能性あり)。


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これがたぬきケーキまつりのポスターで初めて実際の写真を使ったポスター。「なんじゃこりゃ?!」と目を引くし、嫌でもレトロになるし、一から絵を描くよりは楽だし(;^_^A、このアイディアを思いついた自分と、それを良しとしてくれたみんなを褒めたいです。そしてまたこの写真もほんとにいいんですよね…。首の角度、それぞれの立ち位置、犬の表情、色の褪せ具合…その上でたぬきさんを合成する場所も見事に存在する…完璧という他ありません。斯くして私は、「何年か置きにこのアイディアでやーろうっと」と決意するのでした。
たぬきケーキまつり2018のポスター

 2年前(2018年)のたぬきケーキまつりのポスター同様、たぬきケーキが流行したとされる昭和40年頃の写真を使ったポスターにしようということになりました。

 色んな選定基準はあるのですが大きくは、

「2年前とは違う家族の写真を使用しよう」

イベントをコロナに対応する形にしたいので『ステイホーム』をイメージしておうちで楽しんでいる感じの写真にしよう

という事であの写真を選定しました。



 

 2020のポスターの写真で豪傑笑いしているのは、私、従業員Aのひいじいちゃんでございます。母の父の父です。私、志たあめやの歴史190年あまりでおそらく初めての大阪出身の従業員でして、おそらく写真は大阪で撮られたもので、撮影年は昭和36年のものです。多分「書家」という言い方でいいんだろうと思う事をしている人でして、なのでもちろん後ろに飾っているなんか書いてあるのは彼が書いたもののはずです。なんて書いてあるのかは私にはわかりません。横で笑っているのはその娘さんで、私の祖父の姉です。私にとっては大伯母(おおおば)という人ですね。


 ひいじいちゃんの出自は島根県で、何があったか知りませんが結婚して大阪に駆け落ち同然で飛び出してきたようです。私の祖父含め3人の子供に恵まれましたが、そのすぐ後に奥さん(私のひいばあちゃん)に先立たれ、子供達すべての面倒を見る事が不可能になり、長女を島根に、長男(私の祖父)を大阪の手元に、次女(第三子)を奈良に、おそらく泣く泣くそれぞれの今後の人生の手当てをしたようです。詳しくはよく知らないし書きませんが大戦もありましたしそれぞれがかなり波乱万丈な人生を送ったようで、親子顔を合わす事など、ましてや全員が一堂に会す事などままならなかったようです。

 で、話は一気に飛びますが、これまた何があったのかは詳しく知りませんが奇跡的に父子全員一堂に会す事が出来た時の写真が今回のポスターの写真でございます。バックストーリーの良さから本当は4人全員が写っている写真を使いたかったのですが、画質的にっていうのと、画として2人とも豪快に笑っているのがいいなあというので、二人だけ写っている物の方の写真を採用しました。

バックボーン的にはこの家族みんなが揃った笑顔の写真をポスターにできたらいいなあと思っていたのですが…。笑顔のニュアンスもなんだか楽しいステイホームという感じですし。でも見ての通り、ひいじいちゃんの側が結構暗いのと、採用した写真よりピントが合っていないので不採用にしました。笑った瞬間というより、みんな自然とにやけてしまっている感じなのが、バックボーンを知っているからか沁みるんですよね…
おそらくたった一枚だけの家族4人だけの集合写真
ひいじいちゃんの写真、だいたいこんな顔をしてるんですよね…でもこの写真、初めて見た時からかっこよすぎて大好きで…。嘘みたいな少年漫画の様なかっこいい構図、我が親族ながらたまんないですね…!好きすぎてポスターにしたかったんですが、ステイホーム感が無いので不採用と相成りました…。なのでいつかポスターに使ってやろうと思っていましたが、こうして出してしまったからねー…もう無理やでなー…。少し笑顔なのがじいちゃん、真ん中のが母上です。
笑顔の少ないひいじいちゃん(左)










 

 ひいじいちゃんはすごく厳しい人だった様で、他の写真を見てもしかめっ面か、あってもニヒルな薄ら笑みを浮かべる程度の物しか無いのですが、やはり子供全員と会えた嬉しさからだろうと思いますがあの写真ではご存じのとおりの豪傑笑いです。誰のどんな写真でもそうなんだろうとは思いますが、我がひいじいちゃん、大伯母ながらドラマチックだなあと思わずにはいられません。さすがにすごい古い人達ですし、ひいじいちゃん以下、子供たち3人とも亡くなっています。私のじいちゃんも私が岩手に来てすぐぐらいに寝たきりの様になり、その数年後に帰らぬ人となりました。ベタに、もっといろいろ話を聞いておけばよかったなあ…とかなり思います。(「話聞いておけばよかったなあ…」って、歳を取ってから思うんですよね。。。なぜ若い時にその意識を持てないのか…)正直ひいじいちゃんの事は、私はかなり小さかったのでそんなにたくさんの事は覚えていないです…。生前最後の入院時、「最後のお見舞い」と言われて病院に行って、たくさんの人に囲まれているひいじいちゃんを見舞って、誰かに「帰る前に最後の握手をしろ」と言われて握手をして、周りの大人はみんな泣いていて…あれがどういう事だったか、なぜ本人が死を容易に悟れてしまうような状況で良しとしていたのか、いまだによくわからなくて、両親に聞いても覚えていないらしいんです。でもはっきり「これで最後なのかー」とは認識していたし、次に顔を見たのは棺桶に入ってみんなに囲まれているひいじいちゃんなんですよね。なんやったんかなあ。思えば初めて身近に触れる「死」でした。


「笑顔の少ないひいじいちゃん」の写真が好きすぎるのでその事を。ひいじいちゃんの写真、だいたいこんな顔をしてるんですよね…でもこの写真、初めて見た時からかっこよすぎて大好きで…。苦難を乗り越えた父子の決めポーズとかわいらしく一緒にポーズをとるチビ。嘘みたいな少年漫画の様なかっこいい構図、我が親族ながらたまんないですね…!好きすぎてポスターにしたかったんですが、ステイホーム感が無いので不採用と相成りました…。なのでいつかポスターに使ってやろうと思っていましたが、こうして出してしまったからねー…もう無理やでなー…。右の少し笑顔なのが私のじいちゃん、真ん中のが母上です。


長すぎるので次回、「変なポスターの意味と展開 ②展開編」へ続く…

その後独学で印刷屋を起こしたじいちゃん

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